放課後ガチ決闘

 

「来たわね」

里子は放課後の男子ボクシング部へ弘美を呼び出していた。

二人はこの高校でほとんどの男子生徒の憧れな存在だ。胸の大きさは制服の上からも

ありありと確認出来、たまにチラッと見えるおへその辺りを見れば

ウェストが引き締まっているのがよくわかる。

ただ、里子は幼顔、弘美はお姉さん顔と、顔だけは違いファン層の違いはあった。

それがいつしか本人達を筆頭に、ファンの生徒達が張り合う形となり大混乱になった。

そこで里子は提案をした。「裏でボクシングで決着付けない? 負けたらこの学校での

アイドルは私ではなく……と公言するのはどう?」と。

 

弘美はその条件をのんだ。

そういったいきさつが有り、今こうして二人は「ここ」にいる。

 

里子がスポーツブラに着替えようとしていると弘美はクスクスと笑った。

「トップレスじゃないの? ひょっとして胸の大きさで負けそうだから

そんなものするわけ?」

 

「クッ!」

里子はその言葉に、スポーツブラを地面に叩きつけ、胸を露にした。

続いて弘美もトップレスになる。

 

「やっぱり私の方が大きいみたいね」

弘美があざけ笑うように言った。

「多少大きくても乳輪がそんなに大きいと不恰好なものね」

里子が言い返し、弘美は憎悪の目で里子を睨んだ。

 

「ラウンドは!?」弘美がイラついた声をあげると里子はニヤッと笑って言った。

「そんなものいらない。どちらかがぶっ倒れて動かなくなるまでするのよ」

「へー、面白いじゃない」

二人は火花を散らす。

 

 

 

結局二人はブルマとマウスピースのみの姿となり、リング上へあがる。

部室には汗臭さが染み付いているが初夏の夕方、昼間の熱がこもったまま閉鎖されていた

空間の暑さに二人も汗をかき、新鮮な汗の匂いもそれに混じった。

「じゃあ行くよっ!」

先に攻めようと動いたのは里子だった。ボクシングはお互いやったことが無いので

「ボクシングの試合」というより「拳闘」になってしまうかもしれない。

パンチの繋ぎ方もわからず、大降りで里子に殴りかかる。

喧嘩の要領で弘美は腕でガードをして防いだ。

「何よ、スキだらけじゃない」

弘美はすぐさま右フックのような短い右のパンチを里子の左頬に打ち込んだ。

グルンと里子の首が回転し、唾液が霧吹きのように散った。

 

「唾? きったないわねぇ、この学校のアイドルらしく無いんじゃない?」

「う、うるさいっ!」

弘美の挑発に里子は逆上し、同じようにおおぶりのパンチを打つ。

 

「いたっ!」

同じようにガードをした弘美だったが、さすがに大降りで思い切り殴る拳を二度も受け止めると

腕が痛んだらしい。

「効いてるみたいねっ!」

里子はもう一発同じパンチを打ち、それはガードにためらっていた弘美の顔面を

グシャリと押しつぶすようにヒットした。

「あぐっ……」

弘美は少し前のめりになり、唾液が糸を引いて口から滴らせた。

「唾が汚いって? 確かにそうね、あんたの言うとおり」

里子は先ほどの雪辱を晴らし、せいせいしたような顔をする。

 

二人は暑さで汗だくになりながらにらみ合う。

 

ふと弘美は言った。

「ひょっとしてあんた……ワキガの傾向ある?」

里子はドキッとした。常に制汗効果のあるジェルを絶やさず使っているので

今まで公にはならなかったが、汗で流れきってしまった為だろう、ほんのり据えた匂いがする。

 

「ワキガのアイドルねぇ……この情報だけでも私の勝ちかな、ばらされたくなかったら……」

弘美がそう言いかけた時、里子は鼻を鳴らした。

「弘美さん……あなたもワキガの傾向があるんじゃない?」

 

しまったと弘美は思った。この展開から有無を言わさず自分の勝ちにしようとしたが、

ワキガの傾向が自分にもある事を見抜かれてしまった。

 

「お、お互い様ね、試合再開よっ!」

弘美は無理やり話を方向転換すると里子に襲い掛かる。

自然とフックのような形のパンチが得意らしく、ストレートに比べてスピードが速いので

里子の頬に再度、拳が突き刺さった。頬への衝撃で里子の口から白いマウスピースがニュルッと

はみ出る。それは唾液で濡れてぬめっていた。

 

「どんどん行くよ、あしたのジョーだっけ? あれみたいに血まみれのマウスピースを吐かせてやる!」

テンポ良く右、左と弘美のフックが里子の両頬をまんべんなく殴りつける。

里子は痛みを感じない、だが少し頭がボーッとし、殴られる度に夢の中で頭を何かに

うちつけたような感じがする。

「で、これでフィニッシュになるわけね!」

バキッ! 

 

里子の顔が頬から肉が寄せられ歪む。

生卵を割ってドロッと滴り落ちる黄身のようにマウスピースが自然に唾液と共に吐き出される。

唾液まみれのそれはトンッ、トンッと二度跳ねて転がり、静止した。

「汚い汚い、そんな唾まみれで臭いモノなんか吐き出しちゃって、でもあなたのマニアなら

お金を出しても欲しがるかもね、そんなヌメった口の匂いが染み付いた汚いモノでもね!」

 

里子はフゥフゥと息を整える。弘美はフックのパターンを会得したので何となく有利になっている

気がし、最後にどう処理をしてやろうか余裕の表情で里子を見ている。

 

と、里子が足に力を入れて踏ん張り、右のパンチを打った。

(おっと、これは止めないとね)

痛みを覚悟し、弘美は両腕で上半身をガードした。

 

ずむっ……。

 

里子のグローブは弘美のボディへ食い込んだ。

「ボディが……そういえば……あったわね」

弘美はそう言い終わると、ごぼりと水っぽい音をたててマウスピースを口から吐き出した。

そのマウスピースにまとわりついてコーティングしている唾液の量はさきほどの里子のマウスピースより

大量に唾液がねっとりと付いており、跳ねる音もベチャッ、ベチャッ、ベチャッとみずみずしい音をたてる。

釣った魚が陸にあげられ跳ねているようだ、粘液を散らしながら跳ねる。

 

「うわぁ、なんか弘美さんの方が……すっごくマウスピース臭そうなんだけど」

里子はフラフラしながら続ける。

「テレビでボクシング見るけど、そんなにねちょねちょでぐちょぐちょな汚いマウスピースなんて見た事ないよ。

 硬くてコロコロ転がる程度しか見た事ないけど、さすが弘美さんだねぇ」

 

弘美は悔しかったが、ボディの衝撃と苦しみに汗をドッとかき、四つんばいに前へ倒れこむ。

「人のマウスピースを臭いとか汚いとかいったワリには自分のほうが臭くて汚いじゃん、こっちまで

唾の匂いがするし、顔に散らされたから本当に臭いのよね」

 

「ち、調子に乗らないでくれる?」

よれよれと弘美が立ち上がる。手には吐き出したマウスピースを持っており、グチャッと自分の口に

ねじ込んだ。同じく里子も自分のマウスピースを口へ戻した。

 

「ボクシングの正式ルールはほとんど知らないけど……もうこれ喧嘩だからいいよねっ!」

 

ずどっ……。

 

「あ……う」

弘美の急に打ったパンチは里子の柔らかく、張りのある汗ばんでテカっている右胸にめり込んだ。

しばらくして乳首から液体がビチャビチャとほとばしった。

「あんた乳が出るの? 普段男とヤリまくってるからそんなものが出るんじゃない? それにしても

生臭いわね」

相変わらず悪態はつくが、弘美は汗だくで息を切らしていた。

 

「や、ヤリマンはあなたでしょ? オ●ンコもすっごく臭そうだし」

 

その里子の言葉に、心当たりのある弘美は逆上して襲い掛かる。

押し倒しマウントポジションをとると、狂ったように里子の顔面を殴った。殴って殴って、それでも気がすまないほど

頭に血がのぼっていた。

そして気がつくと、里子はグッタリとしていた。白眼をむいている。

「私にくだらない挑発するからそんな事になるのよ……」

弘美がそう言った瞬間、里子の体がビクンッと跳ねて

「げぼぉっ!」

と低音な声を出して血に濡れたマウスピースを吐き出した。

(グロいわね……、ちょっと気持ち悪い)

少し弘美は引いたが、今は自分がマウントポジションをとっている、圧倒的に有利だ。

「ほら、目を覚ましなさいよ」

ビンタのように里子の顔を張ると、里子の目に黒目が戻ったが少し空ろな目をしている。

「オ●ンコが臭い? じゃあ嗅いで確かめてみるといいわ」

ブルマのまま弘美は里子の鼻へ股間を押し付けた。

 

里子はまず、おしっこの匂いを感じた。ブルマの上からなので拭きわすれたものが染みているからかもしれない。

「臭いの? どう? それより屈辱でしょ? 舐めなさいよ」

弘美はブルマをずらして股間をあらわにした。ヘアをきちんと整えているが、汗で蒸れて

ツーンとする匂いをかなり凝縮したような匂いがする。

割れ目に刺さるように鼻へそこを押し付けられ、里子はブルマで嗅いだ時よりも生臭さを感じた。

磯の香り……ひたすら生臭い磯の匂いが鼻に広がり、パックで安売りしているチーズのような匂いが

ほんのりとする。それに加えて、フェラチオでペニスを咥えた事があるが、男性のそこの匂いを

濃縮されたような匂いも混じっていた。

「ふう、どう? 十分屈辱は味わった?」

そう言いながら弘美は腰を上げた、その時にねっとりと里子の鼻からその部分まで粘液が糸を引いた。

「あ」

二人は同時に言った。濡れているという事は性的な興奮をしているという事だ。

 

「……なんかもういい。殴りすぎちゃってごめん」

弘美は急にしおらしくなる。それはある決心からそのような態度に出たのだ。

「ライバルライバルっていってたけど、私レズだから……でも学校の誰にもいえなかったから」

弘美がそう告白する。里子は当然驚いた。モテてモテて困っているのではない、自分を出せずに

弘美は苦しい思いをしていたのだ。そう考えると里子はボクシングで決着などと言わなければ良かったと

思った。

本当はレズとして生活し、男に憧れられる存在にもなりたくない、その為に出来た里子というライバルも

本当は作りたくなかったに違いない。

 

里子は後悔した。

 

「……好きにしなよ」

「えっ?」

里子の言葉に弘美は驚いた。

「いや、だから女の人が好きなんでしょ?……。 私の負けでいいから好きにしなよ」

 

「……うん」

カポォッと弘美は里子のマウスピースを外し、両手でいとおしいように持った。

「本当は好き。女の子の内部の一部である口腔、唾の匂い」

そう言いながら唾液を手に付着させ、自分の胸に塗りたくる。

「クラクラするほどツーンとした唾の匂いがする」

恍惚とした表情で弘美は自分の胸を揉む。そして

「私のをあげる」

そう言うと弘美はディープキスのように深いキスをして、里子の口へ自分のマウスピースを流し込んだ。

「混ざってるよ、私達の唾、混じってるよ」

「本当だね」

里子はどうにでもなれと思っているわけではなかった、悪い気分はこれっぽっちも感じず、ひょっとして

自分もレズではないかと思い始めていた。セックスにも興味が無いし、実際に付き合った男性もいない。

 

「ここの匂いも臭いって言ったけど、大好き」

「ひゃあっ!」

弘美は里子の脇を舐めた。しょっぱい汗の味が口に広がり、鼻には甘酸っぱくも据えた匂いが広がる。

「じ、じゃあ私も」

かなり無理な体勢ではあるが、お互いに脇を舐めることが出来る体制をつくり、二人で息を荒くし、

心臓をドクドク鳴らしながらソフトクリームを舐めるように、なめらかに舌を動かした。

二人の舌がしばらくうねり合った後、髪をかきあげて弘美は言った。

「あなたのオ●ンコを舐めないとフェアじゃないよね」

「ちょ、ちょっと!」

叫ぶ里子の口からきちんとはまっていない弘美のマウスピースがこぼれ落ちた。

シックスナインの形になり、里子の目の前にほんのり色のすすけた割れ目が迫る。

(ここまで来ちゃったんだから……)

里子はその割れ目を広げると、ぬちゃぁと分かれた肉壁が糸を引く。

舐めようとすると、自分のそこから脳まで電気が走る感覚がした。

舐められている。

「美味しい、美味しいよ」

里子はそう言われたが、美味しいって具体的な匂いと味は? と聞けなかった。どうしても

臭いと嫌だなと気になってしまう。だが聞けない。

 

しばらく舐めあっていると二つの肉塊は極限に汗をかいてからみあい、ヌチャグチャと混沌の

世界を作り出していた。

そしてしばらくして、それら二つの肉塊は絶頂の声をあげ、硬直したようになりその場へゴロリと

転がった。

「気持ちよかった……レズなのバレちゃったけど」

「私もレズかもしれないんだけどね」

里子はそう言って笑った。

だが

「いつつつ……」

口を切って出血した部分が痛み出した。

「結局マウントポジションとられてボコられたから私の負けかなぁ?」

里子が言うと弘美は首を左右に振った。

 

「卒業まで週1で勝負しないとわからないかもよ?」

「そんなに殴りあうの?」

「さあ? どうなるでしょう」

 

そう言って弘美はニッと笑顔を見せた。